お手本.com お役立ちコラム

毛筆と硬筆どっちを習うべき?

教育者であり、書の大家である上條信山(かみじょうしんざん)は、著書「現代の書教育(1963年)」の中で、毛筆と硬筆についてこう書いています。
 

  • ① 「日本語教育の一環として」
    毛筆は硬筆に比べ使用がむずかしいが、わずかな文字数を学習するだけで、文字を正しく書くためのすべての基本技術や態度がしっかりと身につく。
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  • ② 「毛筆・硬筆の関連」
    文字を書くことの書造形の基礎について、毛筆、硬筆は全く同じである。毛筆は、文字意識を高め、硬筆の基礎技術を学ぶのにとても効果的である。
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  • ③ 「文字意識を高める」
    毛筆は、書きにくいがゆえに、かえって精神の集中がなされ、また大きな文字なので点画の形が明確となる。さらに毛筆は無限の美しさをもっているので、興味深く学習できる。よって、文字意識が自然に高められることになる。

 
 

50年以上前に書かれた本ですが、現代風に要約すると・・・
 
①毛筆は、少ない文字数で、しっかりと書の基本と学ぶ態度が身につく!
②毛筆は、硬筆の基本を学ぶのに効果的!
③毛筆は、文字意識が高められる!
 
と、いうことでしょうか。
 
お手本ドットコムは、上條信山が言うように、書道は「硬毛一体」だと考えます。
毛筆書の中に筆ペン、ボールペン、鉛筆につながる学習があります。毛筆書をしっかり学べば硬筆もおのずと会得できます。
 
コラム9月
 
また、文字は、コミュニケーションの道具です。
“文字を入力”し、良くも悪くも、”簡単に言葉を伝えられる時代”だからこそ、
毛筆でも硬筆でも、
文字を大切にし心を込めて書く書道を
今、学ぶ意義があるのではないでしょうか?