筆のキャップ、する?しない?
買ったばかりの毛筆には、「筆のキャップ」が付いています。
お子さんの使っている筆に、あるいはご自身が子どものころに使っていた筆に、この筆のキャップが付いているのを見たことのある人は決して少なくないのでないでしょうか。
この「筆のキャップ」ですが、筆おろしをした後にどのようにするべきかを悩んだことのある人もいるでしょう。
ここでは、「筆のキャップはするべき?それとも捨てるべき?」の正解を解説していきます。
<実は筆のキャップは捨てるもの!つけたままはNG>
実は、筆のキャップは一度外したら二度とつけてはならないものです。
元々、筆のキャップは筆が傷まないようにつけられているものです。
新品の筆にはこの透明な筆のキャップがつけられていますが、最初に外したら、そのまま捨ててしまいましょう。
「筆のキャップは筆を保護するためのものなのだから、もう一度つけ直して保管しなければならない」
「筆のキャップをつけておいた方が、筆の穂先がぐちゃぐちゃにならなくて済みそう」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、筆のキャップをつけておくことで発生するデメリットは、得られるメリットよりもはるかに大きいのです。
<筆のキャップをつけることで、筆が腐りやすくなる>
筆のキャップをつけ直すようにしていると、筆の根本にカビが生えたり、腐ったりします。
筆の毛が抜けてしまったり傷んだりすることもあるため、基本的には外さなければなりません。
筆が傷む原因のひとつは、「濡れた状態で筆のキャップをつけて保管していたこと」にあるとして、プロも警鐘を鳴らしています。
「どうしても筆のキャップを使いたい」という場合は、筆を完全に乾燥させてからつける必要があります。
ただ、「筆が乾くまで悠長に待っていること」はなかなか難しいケースもあるでしょう。
学校や塾などで習字(書道)を習っているお子さんならばなおさらです。
なお、このような誤解が広まった理由として、「文房具や筆を仕事として扱っている人にとってはごく当たり前のことであったため、逆に注意喚起がなされなかったから」という点が挙げられています。
また学校や塾でも、このような点までは指導をしていなかった……といったケースが多いと思われます。
お子さんが筆にキャップをつけていたら、親御さんの方から「つけないで保管しよう」とお声かけをしてあげてくださいね。